COLUMNウラカレコラム
女性の性欲は恥ずかしくない|年代別の変化と付き合い方 - 性欲が強い・ないと悩む女性が自分を抱きしめる水彩イラスト

女性の性欲は恥ずかしくない|年代別の変化と付き合い方

※ この記事は医療アドバイスを提供するものではありません。症状がある場合は医療機関にご相談ください。

「最近、やたらとムラムラする。これって普通なの?」

「20代の頃は全然そんなことなかったのに、30代になってから急に……」

「性欲が強い自分がちょっと恥ずかしい」

——もし今、そんなふうに感じているなら、まず知ってほしいことがあります。

日本の女性で「性生活に満足している」と答えた人は、たった27.8%。

逆に言えば、約7割の女性が自分の性と何かしらのモヤモヤを抱えている。「性欲があること」に戸惑っているあなたは、全然一人じゃないんです。

この記事を書いているのは、女風(プレジャーケア)「東京裏彼氏」のオーナーであり、現役セラピストの僕(ほまれ)です。セラピスト歴5年、延べ2,000人以上の女性を担当してきました。

現場で「こんなこと相談していいのかな」「自分だけおかしいんじゃないか」と打ち明けてくれる女性に、僕は何度も出会ってきました。

性欲は「強い」「弱い」で悩むものじゃない。年代やホルモン、そのときの心の状態で自然に揺れ動くもの。

この記事では、科学的な根拠と僕の現場経験を行き来しながら、あなたの性欲との付き合い方を一緒に見つけていきます。

“性欲があるのは変じゃない?”—— あなたは一人じゃない

女性の性欲を動かす3つの歯車 - ホルモン・心理・社会が噛み合う水彩イラスト

「女なのに性欲があるなんて」「お母さんなのに、こんなこと考えてる自分が嫌だ」「なんか申し訳ない」

僕が現場で聞いてきた言葉です。年齢も容姿もスタイルも関係なく、みんなどこかで自分の性欲を否定しようとしている。

ただ、ちょっと待ってください。

既婚30代女性の67.8%がセックスレス。20代女性の37%が性交渉の経験がない。性生活の満足度が27.8%という数字を見れば、「自分の性とどう向き合えばいいか分からない」のは、むしろ多数派なんです。

なぜ「恥ずかしい」と感じるのか

これは個人の問題じゃなくて、社会の構造の問題です。

日本には「慎み深さが女性の美徳」という文化が根強くある。仏教の五欲思想から「恥の文化」、性行為を「生殖の手段」と位置づける価値観——こういう背景が何世代にもわたって積み重なって、「女性が性を楽しむこと」にブレーキがかかっている。

海外の研究でも、性的な羞恥心(セクシャル・シェイム)が性欲そのものを低下させることが明らかになっています。つまり「恥ずかしい」と思えば思うほど、自分の体が感じることまで抑え込んでしまう。

僕がカウンセリングで女性たちから聞く言葉も、まさにこれです。

「『女なのに』とか『お母さんだから』とか『申し訳ない』とか——やっぱそれって全部、日本の文化的なものだと思うんですよね。女性は語ってはいけない、恥じらいを持つべきっていう抑圧。僕はそれを変えたくてこのお店を立ち上げたし、これからもっと変えていきたい」

性欲があることが異常なんじゃない。性欲を「恥ずかしい」と思わされてきた社会の方に、問題がある。

まず、それだけ覚えておいてください。

性欲の正体 —— ホルモンだけじゃない「3つの歯車」

「性欲ってホルモンで決まるんでしょ?」

うーん、それだけじゃないんですよね。

研究者の間では、「体・心・社会の3つで考えましょう」という枠組みが主流になっていて(バイオサイコソーシャルモデル)、要するに性欲は3つの歯車で動いているんです。

歯車1: 体(Bio)

エストロゲン、プロゲステロン、テストステロン——こういったホルモンが性欲に関わっているのは事実です。

ただ、ここが大事なポイント。10本中9本の研究で、テストステロンの量と性欲の強さには相関が見られなかった。「テストステロンが多いから性欲が強い」というのは、実は科学的に裏付けが弱いんです。

研究では、生物学的な要因だけで説明できるのは女性の性欲のわずか10〜15%と言われています。残りの85%以上は、次の2つの歯車が握っている。

歯車2: 心(Psycho)

自分の体をどう感じているか。自信があるかないか。ストレスの大小。過去のトラウマ。

ボディイメージの研究では、「自分の体に否定的な女性ほど性欲・興奮が低下する」ことが分かっています。逆に、体への感謝や満足度が高い女性は、よりポジティブな性体験を報告している。

僕の現場でもこれは日常的に感じます。

男性に裸を見られるのが恥ずかしい、自分に自信がないっていう方がすごく多いんです。年齢・容姿・スタイル、関係なく。みんなそう。でも触れられて慣れていくと恥ずかしさもなくなって、「来てよかった」となる人がめちゃくちゃ多い。

体が変わったんじゃなくて、心のブレーキが緩んだ。それだけで性欲の感じ方がガラッと変わるんですよね。

歯車3: 関係性と社会(Social)

パートナーとの信頼関係。社会からの「女はこうあるべき」というプレッシャー。友人関係。仕事のストレス。

ヨーテボリ大学の6年間の縦断研究で分かったのは、性欲低下の予測因子は加齢そのものより「関係性の質」の方がずっと大きいということ。パートナーからのサポートが不足している、信頼関係が揺らいでいる——こういった要因の方が、年齢よりも性欲に影響していました。

僕の現場でもまったく同じ実感があります。

産後、20-30代の仕事疲れ、性欲がないことに困っている……本当にいろんな理由があるんですよね。年代やライフステージというより、「その時その人が抱えている状況」の方がずっと大きい。

3つの歯車がかみ合うと性欲は自然に回り出すし、どれか一つが止まると全体が止まる。「私って性欲がない人間なのかも」と思っていても、実は歯車を止めている原因が別にあるだけ——ということがとても多いんです。

年代別ガイド —— あなたの性欲は今どこにいる?

女性の性欲は年代で変わる - 20代・30代・40代の変化を表す水彩イラスト

「30代がピーク」「40代から下がる」——こういう話を聞いたことがあるかもしれません。

結論から言うと、「性欲のピーク」は一つじゃない。

1953年のKinsey研究で「女性は30歳以降にオーガズム頻度が最大になる」と報告されたことが「30代ピーク説」の原点です。ただ、これは「生物学的ピーク」を示したものではなくて、「安定的にオーガズムを経験し始めた年齢」を聞いた結果。現在の科学では、女性の性欲は生涯を通じて複数のピークがあるというのが主流の見解です。

こんなデータがあるんですけど、Janus Reportっていう大規模な性行動調査で、週1回以上の性活動をしている女性の割合を見ると——

年代週1回以上の性活動
39-50歳68%
51-64歳65%
65歳以上74%(最も高い)

なんと65歳以上がいちばん高い。「年齢とともに性欲は直線的に下がる」は、完全に俗説なんです。

とはいえ、年代ごとに「よくあるパターン」はあります。僕が2,000人以上の女性と向き合ってきた肌感と、科学データを照らし合わせてみます。

20代: 奥手で、まだ自分の体を知らない

科学データ上は18-29歳が性欲のスコアが最も高い年代とされていますが、僕の現場の実感はちょっと違います。

「20代は奥手な子が多いんですよね。欲がない子も多くて、男性に合わせてる。『求められるからする』みたいな受け身。恥ずかしがるし、体がこわばってる子も結構いて。経験とか慣れの問題が大きいかな」

日本では20代女性の37%が性交渉の経験がないというデータもあります。性欲がないんじゃなくて、自分の性欲を認識する経験そのものが不足している。

研究で見ても、20代は性欲低下に対して最も「苦痛」を感じやすい年代です。20代の65%が性欲の低さに苦しむのに対し、60代ではわずか22%。若いほど「こうあるべき」のプレッシャーが強くて、自分の性欲を素直に受け止められない。

20代のあなたへ: 焦らなくていい。まず自分の体がどう反応するか、知ることから始めてみてください。

30代: 自分の体が分かってきて、好奇心が爆発する

30代は変化が大きい年代です。

「30代になると自分の体がわかってきて、恥ずかしさが減るんですよね。好奇心がめちゃくちゃ強くなる。自分から求める人がすごく増えるし、発散したい目的で使う人も多い。新しいことに対する好奇心もガンガン出てくる」

Schmitt & Buss(2002)の研究でも、30-34歳の女性は他の年代より高い性欲を報告しています。経験を重ねて自分の好みが分かってきた、パートナーとのコミュニケーションが上手くなった——そういう心理的・関係性の成熟が、性欲の「目覚め」につながっている。

ただ、ここで問題になるのがパートナーとの温度差。

「『性欲が強すぎて困ってる』って相談、めちゃくちゃ多いんですよ。30-40代が多いかな。パートナーとの温度差——自分はしたいのに拒否される。あとはやっぱり、日本の社会で女性が性にオープンなのは『おかしい』って感じさせられてるっていうのもある」

既婚30代の67.8%がセックスレスという現実がある。自分の性欲と、パートナーとの関係のギャップに悩む——これは30代で最も多い相談の一つです。

30代のあなたへ: 性欲が高まるのは自然なこと。パートナーとの温度差に悩んでいるなら、セルフプレジャーを「自分のケア」として取り入れることも、立派な選択肢です。

40代以上: 「もう終わり」なんてことはない

更年期に差しかかると「性欲がなくなっていくのかな」と不安になる方もいます。

2024年のオーストラリアのAMY研究(8,096人)では、閉経前期(=更年期の入口)の段階で既に性欲や興奮の変化が始まっていることが報告されています。つまり40代半ばくらいから、体の変化は静かに始まっている。

ただ、ここで知っておいてほしいのは——

シアトル中年女性健康研究の長期追跡で明らかになったのは、更年期の性欲低下は「更年期そのもの」より「パートナーの有無」「関係性の質」「ストレス」に強く関連していたということ。更年期だから性欲がなくなるんじゃない。環境やメンタルの影響の方がずっと大きい。

そして更年期の性の悩みについては「二重の沈黙」も指摘されています。女性は医療者に相談しにくいし、医療者も積極的に聞かない。結果、一人で抱え込む。

綺麗事抜きに、40代以上で性欲がめちゃくちゃ旺盛な方もたくさんいます。年齢で性欲が消えることはないんです。

40代以上のあなたへ: 体の変化はあっても、性欲は終わらない。乾燥や痛みが気になる場合は婦人科に相談しつつ、自分の「心地いい」を諦めないでください。

生理周期と性欲 —— ムラムラには科学的理由がある

「生理前になるとやたらムラムラする」「排卵日あたりに性欲が爆発する」——これ、ちゃんと科学的な理由があります。

97人の女性を15日間毎日ホルモン測定した研究で、以下のことが確認されました。

  • エストラジオール(エストロゲンの一種): 性欲と正の相関
  • プロゲステロン: 性欲と負の相関

つまり、ホルモンの変動に合わせて性欲も揺れるのは当たり前なんです。

周期体の中で起きていること性欲への影響
月経期(1-5日目)エストロゲンが低い個人差が大きい。意外と高まる人も
卵胞期(6-13日目)エストロゲンが徐々に上昇少しずつ性欲が高まってくる
排卵期(14日目前後)エストロゲンがピーク性欲・性的魅力が最大になる
黄体期(15-28日目)プロゲステロンが優位性欲は低下傾向。PMS症状も

「排卵日にムラムラする」のは、体が生殖の準備をしているサイン。「生理前に性欲が落ちる」のは、プロゲステロンの作用。どっちも正常な生理現象です。

逆に、生理中でも性欲が高い人がいるのは、ホルモンだけでなく「社会的な抑制からの解放」が影響しているとも言われています。「もうどうせ生理だし」という開き直りが、普段のブレーキを外す——という仮説ですね。

ポイント: ムラムラするのも、しないのも、全部ホルモンの揺れの中にいるだけ。自分を責める必要はまったくありません。

“自発型”と“応答型”—— 性欲には2つのタイプがある

ここが今回の記事で一番伝えたいことです。

「性欲がない」と悩んでいる女性の多くが、実は勘違いをしています。

性欲には2つのタイプがあるんです。

自発型の性欲(Spontaneous Desire)

突然「したい」「ムラムラする」と感じるタイプ。きっかけがなくても、ふと性欲が湧いてくる。男性に多いとされていて、多くの人が「性欲ってこういうもの」と思っているパターンです。

応答型の性欲(Responsive Desire)

「触れられて」「いい雰囲気になって」「キスされて」——刺激があって初めて「あ、したいかも」と感じるタイプ。

Emily Nagoskiの研究によると——

  • 女性の30%: 応答型が優位
  • 女性の15%: 自発型が優位
  • 残り55%: 状況によって両方

つまり、女性の85%は「突然ムラムラする」タイプが主ではない。

これ、すごく大事なことなんですよ。

「最近全然性欲がない」「昔はあったのに」と悩んでいる人の多くは、自発型の性欲を「普通」だと思い込んでいる。けど実際は、適切な刺激や安心できる環境があれば、性欲は後からついてくる。僕が現場で見てきた事実です。

Bassonの円環モデル

従来の性欲の理解は「性欲→興奮→オーガズム→解消」という一直線。

ただ、「円環モデル」って聞いたことありますか? こっちの方がずっとリアルなんです。

親密さへの動機心地よい刺激を受け入れる興奮が生まれる「あ、したい」と感じる(性欲が後から生まれる)さらなる興奮満足もっと親密になりたい……

この円環を回すきっかけは、「突然のムラムラ」じゃなくて、安心できる文脈の中での身体的な刺激

僕が現場で見てきた光景も、まさにこれです。

「『もう何も感じなくなった』って来る方もいるんですよ。出産後とか、パートナーに裏切られたトラウマとか。でもね、施術を通じて『自分って感じるんだ』『やっぱ性欲あるんだ』って気づく。性欲がなくなったんじゃなくて、ブレーキがかかってただけだったんだなって」

「性欲がないから行かない」じゃなくて、「行ったから性欲が生まれた」。順番が逆なんですよね。

ブレーキとアクセル——Dual Control Model

もう一つ知っておいてほしい考え方があります。

Dual Control Modelでは、性的な反応をアクセル(興奮を促すシステム)ブレーキ(興奮を抑えるシステム)の2つで説明しています。

女性は男性よりブレーキが強い傾向がある。これは「異常」じゃなくて、適応的な正常です。

「性欲が低い」=「アクセルが弱い」のではなく、「ブレーキが強すぎる」ことの方がずっと多い。

ストレス、疲労、ボディイメージの悪さ、パートナーへの不信感——こういうものがブレーキを踏んでいる。逆に、安心・信頼・リラックスがあればブレーキは自然に緩む。

「出産後の人もいれば、20代でパートナーに裏切られてトラウマになった人もいる。でもね、施術を通じて『自分って感じるんだ』『やっぱ性欲あるんだ』『楽しいことなんだ』って変わっていく人がほとんどなんですよ」

ブレーキを外すのは薬じゃない。安心できる環境と、信頼できる人の存在。それだけで、止まっていた歯車が回り始めることがある。

応答型の性欲は、頭で考えても始まらない。安心できる場所で、信頼できる誰かに触れられること——それが最初のきっかけになる。僕はそういう瞬間を現場で何度も見てきました

性欲との付き合い方 —— 年代別セルフケアロードマップ

性欲との付き合い方セルフケア - リラックスする女性の水彩イラスト

科学も現場のリアルも踏まえた上で、具体的に「じゃあどうすればいいの?」をまとめます。

1

まず自分を受け止める(全年代共通)

何より先に。

「大丈夫です。安心してください。みんなそれぞれの悩みがあって、それでいいんです。まずは受け止めてあげて。否定しないこと」

性欲が強くても、弱くても、なくても。「今の自分」をそのまま認める。これがスタートラインです。

具体的にやってみてほしいことが3つあります。

  1. 1週間、自分の性欲を記録してみる。「今日はムラムラした」「今日は何も感じなかった」——それだけでOK。自分のパターンが見えてくる
  2. 「異常かも」と思ったら、「これは普通」と声に出す。馬鹿みたいに聞こえるかもしれないけど、セルフコンパッション(自分への思いやり)が性欲改善と関連することが研究で分かっています
  3. 信頼できる誰かに、一つだけ話してみる。友人でも、パートナーでも、セラピストでも。言葉にするだけでブレーキが緩む
2

睡眠を整える(全年代共通)

睡眠は性欲に直結しています

睡眠時間を1時間延ばすだけで、翌日の性活動の確率が14%上がる。不眠症の女性は性機能障害のリスクが149%増加するというデータもあります。

疲れていたら性欲なんて湧きません。「最近ムラムラしないな」と思ったら——

  • ベッドに入る時間を30分早くする
  • スマホを寝室に持ち込まない(ブルーライトがメラトニンを抑制します)
  • 入浴は就寝90分前に済ませる(深部体温の低下が入眠を促す)

どれか1つからでOK。睡眠が変わると、驚くほど体の反応も変わってきます。

3

自分の体を知る——セルフプレジャー

2024年のPMC論文では、セルフプレジャー(マスターベーション)がストレス対処のセルフケアとして有効であることが報告されています。参加者の大多数が「幸福感」「リラクゼーション」「セルフケア」をポジティブな効果として挙げました。

セルフプレジャーは安全で、お金もかからなくて、誰にも評価されない自分だけの時間。

僕の経験上、セルフプレジャーをしている女性の方が自分の体の反応を分かっていて、施術でもリラックスしやすい傾向があります。

  • 20代: まずは自分の体がどう反応するか探ることから。焦らず、力を入れすぎず。
  • 30代: 好奇心が高まっている今がチャンス。新しいアイテムや方法を試してみるのも。
  • 40代以上: 膣の健康を保つセルフケアとしても有効。乾燥が気になる方は、潤滑ゼリーを使ってみてください。
4

腸活とホルモン——見落とされがちなつながり

これは競合の記事ではほぼ触れられていない話ですが、腸内環境と性欲にはつながりがあります。

エストロボローム」という概念があって、腸内細菌がエストロゲンの代謝に関わっていることが分かっています。腸内環境が乱れると、エストロゲンの活性化がうまくいかなくなり、性欲を含むさまざまな機能に影響が出る可能性がある。

まだ研究段階ではありますが、普段の食事でできることはシンプルです。

  • 朝の味噌汁1杯(発酵食品)
  • ヨーグルト100g(乳酸菌)
  • キムチや納豆を小皿1つ

このうち1つでもOK。「腸活」は美容だけじゃなくて、性の健康にもつながってるかもしれないんですよね。

5

一人で抱え込まない

「僕がいつも伝えるのは、『全然それでいいんだよ』『あなただけじゃなくて、そういう人めっちゃいるから』ってこと。デートだけ、お話だけ、マッサージだけの人もいるし、使い方はみんなそれぞれ。○○ちゃんにとって一番いい使い方が、こちらも嬉しいんです。何より会いに来てくれたことが嬉しい」

性の悩みを誰かに話すのはハードルが高いと思います。友人にも言いにくいし、医師にも聞けない。ただ、一人で溜め込む必要はないんです。

安心できる場所で、「触れられたい」「誰かに話を聞いてほしい」と感じたら、それは自分を大切にしたいというサインです。セルフプレジャーでも、信頼できる友人でも、プロのセラピストでも——自分に合った方法で、そのサインに応えてあげてください。

一人で満たせない時の選択肢

セルフケアで満たせる部分はたくさんある。睡眠、運動、セルフプレジャー、腸活——全部やった上で、それでもどこか「足りない」と感じることがあるかもしれません。

「やっぱり一番大きな違いは『人肌』なんですよね。人のぬくもりを感じて、触れられて、大切にされる経験。終わった後のアフタートークで自分のことを話せたりとか。一人だと賢者モードになっちゃうけど、人とすることで『楽しい』『気持ちいい』って感じられていく人がすごく多い」

科学的にも裏付けがあります。

人の手によるマッサージはオキシトシンの分泌を促す。オキシトシンは不安を和らげ、信頼感を高め、体のブレーキを緩めるホルモン。機械によるマッサージよりも、人の手の方が効果が大きいことも分かっています。

さらに、C触覚繊維という皮膚の受容体は、ゆっくりとした愛情のこもったタッチに反応して快感を生み出す。女性は男性より強く反応し、「性的に興奮する」「愛し合いたくなる」と報告しています。

Bassonの円環モデルで言えば、これはまさに「安心できる文脈での身体的刺激→応答型の性欲が自然に生まれる」というプロセスそのもの。

僕が現場で何度も見てきた変化——

「自信が持てるようになった。パートナーとの関係がより良くなった。何年もレスだったのに関係が戻った。セラピストと会うことでネイル・服装・美意識がめちゃくちゃ上がった——日々の中で自分自身を好きになれるようになったっていう声は、本当に多いですね」

これは「性欲が満たされた」だけの話じゃない。触れられることで、自分を好きになれた。それが日常全体に波及していく。

「男に性欲があって女にないなんて、ありえないじゃないですか。生き物なんだから、素直になっていい。抑圧することが人生の中ですごくもったいない。もしオープンにできなかったり、答えてくれる人が周りにいないなら——僕たちセラピストがいるから。女性の方がむしろ楽しみがいがあるし、楽しめる方法がいくらでもあるんですよ」

一人で満たせない部分は、誰かの力を借りていい。弱いなんてことは全然ない。自分のことちゃんと大事にしてるってことです。

ほまれからのメッセージ

最後に、この記事をここまで読んでくれたあなたに、僕からのメッセージを。

「大丈夫です。安心してください。みんなそれぞれの悩みがあって、それでいいんです。まずは純粋に受け止めてあげて、否定せずに。自分自身がまず受け止めてあげること、否定をしないこと。」

性欲があるのは、生きている証拠。男に性欲があって女にないなんて、ありえない。

20代で何も感じなくても、30代で爆発しても、40代で静かになっても、50代でまた燃え上がっても——全部あなた。全部普通。全部OK。

抑え込まなくていい。恥ずかしがらなくていい。

「抑圧してしまうことが人生の中ですごくもったいない。女性の方がむしろ楽しみがいがある、楽しめる方法がいくらでもある。」

自分の体と心に、素直でいてください。

よくある質問

Q.性欲が強いのは異常ですか?

異常ではありません。性欲の強さには大きな個人差があり、年代やホルモン周期、ストレス状態によっても変動します。Emily Nagoskiの研究によると、性欲のあり方は人それぞれで「正常」の範囲は非常に広いとされています。強い性欲を恥じる必要はまったくありません。

Q.女性の性欲のピークは何歳ですか?

「30代がピーク」という通説がありますが、これは1953年のKinsey研究の誤読に基づいています。現在の科学的見解では、女性の性欲に単一のピークはなく、生涯を通じて複数のピークがあるとされています。性欲は年齢だけでなく、関係性の質・自信・経験・ホルモン状態の複合で決まります。

Q.生理前にムラムラするのはなぜですか?

月経周期に伴うホルモン変動が原因です。排卵期(生理開始から約14日目前後)にはエストラジオールがピークに達し、性欲が最も高まることが97人の女性を対象とした研究で確認されています。生理前のムラムラは、あなたの体が正常に機能している証拠です。

Q.パートナーとの性欲の差に悩んでいます。

カップル間で性欲が完全に一致することの方が珍しいです。一方が「応答型」で一方が「自発型」というパターンも多い。対話が難しい場合は、まず自分自身のケアから始めてください。セルフプレジャーや女風(プレジャーケア)など、自分を満たす手段を持つことは、パートナーへの裏切りではなく、自分を守ることです。

REFERENCES

  1. Sexual Inactivity in Japan: A Scoping Review — Journal of Sex Research, 2025
  2. Sexual Problems among Japanese Women — Sexual Medicine, 2015
  3. The effects of sexual shame on sexual desire — PMC
  4. A biopsychosocial approach to women's sexual function at midlife — PMC
  5. Is testosterone involved in low female sexual desire? — PMC
  6. Body Image and Domains of Sexual Functioning — PMC
  7. Changes in women's sexual desire: Gothenburg Study — Archives of Sexual Behavior
  8. Is there an early-30s peak in female sexual desire? — Schmitt & Buss, 2002
  9. Sexual dysfunction in women at midlife: AMY Study — The Lancet, 2025
  10. Sexual Desire During Menopausal Transition: Seattle Study — PMC
  11. Women's menopausal sexuality: systematic review — PMC, 2025
  12. HSDD Prevalence: US Women — Archives of Internal Medicine, 2008
  13. Hormonal Underpinnings of Variation in Sexual Desire Throughout the Menstrual Cycle — Journal of Sex Research, 2023
  14. Emily Nagoski “Come As You Are” (2015) — Simon & Schuster / Basson's model: Brotto & Graham, 2021
  15. The Dual Control Model: A Scoping Review 2009-2022 — Journal of Sex Research, 2023
  16. The impact of sleep on female sexual response — Journal of Sexual Medicine, 2015
  17. Self-compassion and sexual well-being — PMC
  18. Exploring Masturbation as a Coping Strategy in Women — PMC, 2024
  19. Estrogen-gut microbiome axis — PubMed
  20. Massage increases oxytocin — PubMed
  21. C-tactile afferents and affective touch — PubMed

WRITTEN BY

ほまれ

ほまれ

東京裏彼氏(ウラカレ) オーナー / 現役セラピスト

セラピスト歴5年、延べ2,000人以上の女性を担当。在籍1,800名の大手グループで全国No.1を2年連続受賞。ABEMA TV・モデルプレス・ViVi等メディア出演多数。

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